関東私鉄しりとり&サイコロの旅  最終回(データ編) 

京急雑色


 全19回、77駅に渡った本企画。「果たして終わるのか?完遂できるのか?」と幾度も不安になったものの、どうにか当初から予定していたゴール駅・和戸で無事終了と相成った。最後にデータ編、というか結果と分析?をダラダラと記して締めとしよう。


▼しりとり全貌
駅名 会社 都県
1 相老 東武
群馬県
2 池ノ上 京王 東京都
3 江田 東急 神奈川県
4 大神宮下 京成 千葉県
5 大谷向 東武 栃木県
6 京成上野 京成 東京都
7 能見台 京急 神奈川県
8 生田 小田急 神奈川県
9 代田橋
京王 東京都
10 柴崎 京王 東京都
11 北池袋 東武 東京都
12 六郷土手 京急 東京都
13 天王町
相鉄 神奈川県
14 京成臼井 京成 千葉県
15 東武和泉 東武 栃木県
16
みずほ台 東武 埼玉県
17
家中 東武 栃木県
18 加須 東武 埼玉県
19 雑色 京急 東京都
20 北春日部 東武 埼玉県
21 逸見 京急 神奈川県
22 南栗橋 東武 埼玉県
23 椎名町 西武 東京都
24 千歳船橋 小田急 東京都
25 静和
東武 栃木県
26 若葉台
京王 神奈川県
27 池尻大橋
東急 東京都
28 下山口
西武 埼玉県
29 千歳烏山
京王 東京都
30 増尾
東武 千葉県
31 大森町
京急 東京都
32 西武秩父
西武 埼玉県
33 福居
東武 栃木県
34 和泉多摩川
小田急 東京都
35 YRP野比
京急 神奈川県
36
東小泉
東武 群馬県
37
南桜井
東武 埼玉県
38 板倉東洋大前
東武 群馬県
39 江曽島
東武 栃木県
40 京成幕張
京成 千葉県
41 竜舞
東武 群馬県
42 井荻
西武 東京都
43 喜多見
小田急 東京都
44 港町
京急 神奈川県
45 鵜の木
東急 東京都
46 木崎
東武
群馬県
47 清瀬
西武 東京都
48 せんげん台
東武 埼玉県
49 池上
東急 東京都
50 三鷹台
京王 東京都
51 石川台
東急 東京都
52 稲城
京王 東京都
53 北鹿沼
東武 栃木県
54 町屋
京成 東京都
55 西武柳沢
西武 東京都
56 和田町
相鉄 神奈川県
57 千鳥町
東急 東京都
58 運河
東武 千葉県
59 春日部
東武 埼玉県
60 平和島
京急 東京都
61 松原団地
東武 埼玉県
62 千葉中央
京成 千葉県
63 梅島
東武 東京都
64 京成幕張本郷
京成 千葉県
65 梅屋敷
京急 東京都
66 菊名
東急 神奈川県
67 長沼
京王 東京都
68 町田
小田急 東京都
69 高坂
東武 埼玉県
70 霞ヶ関
東武 埼玉県
71
北大宮
東武 埼玉県
72 柳生
東武 埼玉県
73 浦賀
京急 神奈川県
74 合戦場
東武 栃木県
75 拝島
西武 東京都
76 馬込沢
東武 千葉県
77 和戸
東武 埼玉県

 改めて全77駅を一覧にしてみた。うん、壮観である。良く巡り、良く繋げたものと思う。馬鹿馬鹿しくも、一つの"成果"だ。


▼鉄道会社別ランキング
会社 駅数 内訳
1位 東武 31駅 梅島・松原団地・せんげん台・春日部・北春日部・和戸・加須・福居・東武和泉
・木崎・東小 泉・竜舞・相老・南栗橋・柳生・板倉東洋大前・静和・合戦場・家中
・北鹿沼・江曽島・大谷向・北大宮・南桜井・運河・増尾・ 馬込沢・北池袋
・みずほ台・霞ヶ関・高坂
2位 京急 10駅 平和島・大森町・梅屋敷・雑色・六郷土手・能見台・逸見・浦賀・港町・YRP野比
3位 京王 8駅 代田橋・千歳烏山・柴崎・長沼・稲城・若葉台・池ノ上・三鷹台
4位 京成 7駅 京成上野・町屋・大神宮下・京成臼井・京成幕張本郷・京成幕張・千葉中央
西武 7駅 椎名町・清瀬・下山口・西武秩父・井荻・西武柳沢・拝島
東急 7駅 池尻大橋・江田・菊名・鵜の木・石川台・千鳥町・池上
7位 小田急 5駅 千歳船橋・喜多見・和泉多摩川・生田・町田
8位 相鉄 2駅 天王町・和田町


 元々の駅数の多さと未乗降駅を優先してリストアップするというルールから、開始前から「東武無双になるのでは?」と懸念していたが、結果はご覧の通りである。実に2位の3倍超。圧倒的なボリュームだった。4駅連続が実に3回。それみたことか。ぐっと開いて2位は京急、駅間の短い都内に未乗降駅が多く 残っていた事が影響したようである。

 地元・京成は7駅と意外に多め。「ま」「ち」等他社に少ない文字で始まる駅が多く、乗降済にもかかわらずリストに頻出したのが効いた。"地元効果"はむしろ実家近辺に顕著で、小田急・相鉄が下位にしっかり並んでしまった。相鉄はリストに出たのもこの2駅のほか緑園都市だけだったはずで、本当にレアだった。


▼都県別ランキング

都県 駅数 内訳
1位 東京都 30駅 京成上野・町屋・梅島・北池袋・椎名町・井荻・池ノ上・代田橋・千歳烏山
・千歳船橋・喜多見・池尻大橋・鵜の木・石川台・千鳥 町・池上・平和島・大森町
・梅屋敷・雑色・六郷土手・西武柳沢・清瀬 ・三鷹台・和泉多摩川・柴崎・稲城
・町田・長沼・拝島
2位 埼玉県 15駅 北大宮・松原団地・せんげん台・春日部・北春日部・南桜井・和戸・南栗橋・加須
・柳生・みずほ台・下山口・霞ヶ関・高坂・西武秩父
3位 神奈川県 11駅 港町・生田・若葉台・菊名・天王町・和田町・能見台・江田・逸見・浦賀・YRP野比
4位 千葉県 8駅 運河・増尾・馬込沢・大神宮下・京成幕張本郷・京成幕張・千葉中央・京成臼井
栃木県 8駅 福居・東武和泉・静和・合戦場・家中・北鹿沼・江曽島・大谷向
6位 群馬県 5駅 板倉東洋大前・東小泉・竜舞・木崎・相老


 一方、都県別に見てみると、東武のせいで北関東だらけ、という事にはなっていない。トップはやはり東京都で、元々の駅数の多さがそのまま順位に反映された格好だ。とは言え、南関東3県で埼玉が最多となったのはやはり東武の影響だろう。小田急・相鉄が冷遇された割には神奈川県は3位と健闘。ただし、県央・県西部はごっそり抜けてしまった。


▼所要時間の短かった区間
区間 所要
1位 高坂→霞ヶ関 15分
2位 代田橋→柴崎 24分
港町→鵜の木 24分


 関東平野を行ったりきたり、その中でとりわけ所要時間が短く、"引きの良かった"区間を探してみたらこうなった。1位の高坂→霞ヶ関は東武東上線内を電車1本でちょっと移動しただけで、本当にあっという間。ただし、自宅から高坂までは結構遠かった。代田橋→柴崎も乗り換え無しだったが、優等列車の待避があった分だけ時間が伸びている。乗換えが2回(しかもうち1回は結構歩いている)もあったのに同着2位に滑り込んだ港町→鵜の木は意外と言うかお見事と言うか。多分、直線距離ならこれが一番短い。

 ちなみに自宅から一番近かった駅は京成臼井。その気になれば自転車で…はちょっと厳しいか。


▼所要時間の長かった区間
区間 所要
1位 江曽島→京成幕張 3時間58分
2位 合戦場→拝島 3時間02分
3位
京成臼井→東武和泉 2時間35分


 逆に時間がかかった場所は…と探すと3つとも東武と他社の駅を結ぶ区間が並んだ。圧倒的に長かったのが宇都宮市から千葉市まで大移動した江曽島→幕張であわや4時間越え。途中で餃子を食べた時間をさし引いても多分トップである。合戦場→拝島は車両トラブルによる遅れを含んでいるので、ダイヤが正常なら3位と逆転したかもしれない。うすい→東武和泉は自宅の近所を行ったり来たりの形になり、精神的にきつかったのを覚えている。

 なお、この順位には自宅から直接行き来した駅を含んでいない。もし家を挟まず直行したならば、大神宮下→大谷向、YRP野比→東小泉、京成幕張→竜舞辺りも結構な時間を要したはずだ。自宅から一番遠い駅は、スタート地点の相老か大谷向、微妙なところだ。


▼頻出した文字
文字 駅数 前の駅
1位 11駅 石川台・せんげん台・能見台・みずほ台・三鷹台・若葉台・京成臼井・南桜井
・相老・福居・竜舞
2位 8駅 木崎・柴崎・雑色・井荻・鵜の木・稲城・梅屋敷・霞ヶ関
3位 7駅 千鳥町・天王町・港町・大谷向・千葉中央・幕張本郷・柳生
7駅 梅島・江曽島・拝島・平和島・北鹿沼・長沼・千歳烏山


 しりとりで頻繁に出た文字をピックアップしてみた。最多は「い」で実に11回。7回に1度は「い」だったわけだ。「い」終わりの駅には「○○台」が6つ。「ま」では「○○島」が4度登場している。関東圏の地形を示しているようでなかなか興味深い。

 なお、一度も出なかった文字は初めから候補駅がない「ん」「ら」「る」「れ」を除き15個あった。うち最も候補が多かったのは「こ」で、29駅もあったのだが一度も出なかった。


▼本来はこんな結果だった!?
駅名 会社 都県
54 町屋
京成 東京都
55 谷津 京成 千葉県
56 津久井浜
京急 神奈川県
57 馬込沢
東武 千葉県
58 和田町
相鉄 神奈川県
59 京成千葉
京成 千葉県
60 幡ヶ谷
京王 東京都
61 西武柳沢
西武 東京都
62 和光市
東武 埼玉県
63 篠塚
東武 群馬県
64 霞ヶ関
東武 埼玉県
65 北大宮
東武 埼玉県
66 八千代台
京成 千葉県
67 一本松
東武 埼玉県
68 つくし野
東急 東京都
69 野方
西武 東京都
70 高坂
東武 埼玉県
71
梶が谷
東急 神奈川県
72 柳生
東武 埼玉県
73 梅ヶ丘
小田急 東京都
74 神奈川
京急
神奈川県
75 若葉
東武 埼玉県
76 狭間
京王 東京都
77 松原団地
東武 埼玉県
78 長後
小田急 神奈川県
79 高座渋谷
小田急 神奈川県
80 八木崎
東武 埼玉県
81 北久里浜
京急 神奈川県
82 京成幕張本郷
京成 千葉県
83 梅島
東武 東京都
84 町田
小田急 東京都
85 高井戸
京王 東京都
86 東武動物公園
東武 埼玉県


 第12回のラスト、町屋でサイコロを振って出た目は5。日を改めて西武柳沢に向かったのだが、実はこの時の候補駅リストは順番が間違っていた。本来向かうべきだったのは、町屋と同じ京成の谷津。西武柳沢に着いてから誤りに気付いたためそのまま旅を続行してしまったが、もしやり直して(あるいは最初から間違えず)谷津に行き、その後サイコロの目が同じならばどう なったか、というifがこの表である。

 実際の行路に負けず劣らず、と言うかむしろ更にハードなルートである。町屋→谷津(習志野市)と京成本線同士で繋がったと喜ぶのもつかの間、この後三浦半島先端まで運ばれた挙句船橋市に逆戻り、さらに横浜、千葉と行ったり来たりの繰り返しだ。

 太字の駅には、実際に訪れている。意外にカブリが多く、間違って行ってしまった西武柳沢も結局6駅後に訪れていた。終盤で「ま」が出尽くす展開も同様だ。実際にゴールした77駅目では、旅は終わらなかった。この後もサイコロを振り続けると、長後→高座渋谷という隣駅同士の奇跡の繋ぎを経て、86駅目で「ん」終わりの東武動物公園に辿り着いて終了している。

 うん、これはちょっと心が折れそうだ。

***

 そんな訳で、構想半年、実行1年3ヶ月、執筆3年3ヶ月(酷い)のしりとり&サイコロの旅も、ここでようやく終幕となる。振り返ってみると、やはりハードだった。特に終盤は「いい加減終われないか…」とだれていたのもまあ事実である。最初の頃はとんでもない早起きをしていたのに段々スタート時間が遅くなっていったのも、その証左と言えなくもない(ま、プレイベートが忙しくなってきたという事情もあるのだけれど)。

 でも楽しい旅だった。関東平野を縦横無尽に行ったり来たり。遠出はしてないけれど、存分に旅気分を味わった。乗り鉄の血と理屈に凝りたがる性分が上手く混じり合った迷企画だったと、ちょっと自賛しておこう。他人には薦めないけれど(笑)。

 こんな壮大かつ阿呆な企画が今後生まれるかどうかは分からないけれど、何かまた思いついて書き始めたら、呆れながらもお付き合い頂ければちょっと嬉しく思う。さてそんな日は、いつ来るのかね?


(おわり)

2015.9.7
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